母ごころ接骨院

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2020.10.05
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がんばり筋とさぼり筋の関係

目次

がんばり筋とさぼり筋の関係

今回は、前回紹介した -身体を快適に思い通りに動かすためには?- で紹介した

・がんばり筋
・さぼり筋

について大事なことなので、もう少し掘り下げてお伝えしていきたいと思っています。

不安定な関節は、本来使わないといけない筋肉がうまく使えなくなり
その分、本来使わなくていい筋肉が代償的にがんばっている状態です。

そしてその状態で活動を続けていくことで様々な痛みや不調をきたすことになっていきます。

思い当ることはありませんか?

●ストレッチしても可動域が上がっていかない。さらに無理したら痛くなってしまった。
●硬くなった筋肉をほぐして楽になったが、しばらくすると戻ってしまう。
●体幹トレーニングや筋トレをしてもあまり変化を感じない。
●しばらく安静にしていると楽になるけど、動き出すと途端に痛み出してしまう。
●動くとすぐに疲れてしまう。

などなど、これらは関節が本来のバランスで使えていない可能性が高いです。

がんばり筋は使われすぎているので筋肉が硬くなり柔軟性が低下し、圧が掛かると
痛く感じる傾向があり、その部分が悪いという印象を受けますよね。
しかしその状態はそれぞれ対応するさぼり筋がうまく使えないことが原因のことがとても多い印象を受けます。そして、その状態はずっと変化せず放置されている場合が多いと感じます。

なので、関節が不安定なまま、ストレッチやトレ―ニングなど様々な事をしても
効果を感じずらくなったり、マッサージや施術などをしてもしばらくすると戻ることになり、動くときも無駄なエネルギーを使うために疲労を感じやすくなったりすることに繋がると思います。

それでは、それぞれの関節ごとに説明をしていきたいと思います。

腰~股関節

腰~股関節のさぼり筋とがんばり筋は?

さぼり筋腸腰筋、多裂筋・腹横筋(この2つの筋肉は協力して働きます)
がんばり筋梨状筋、多裂筋、腰方形筋、腸腰筋、中殿筋、恥骨筋、股関節深層外旋筋

となります。

腸腰筋がさぼると
  ⇩ ⇩ ⇩
梨状筋、多裂筋、腰方形筋が代わりにがんばる。
  ⇩ ⇩ ⇩
反り腰、内股になりやすくなり、腰の伸展(反らす)側屈(真横に倒す)股関節の外旋(外に捻る)の動きがしずらくなってしまいます。
梨状筋ががんばりすぎて過緊張を起こすことにより坐骨神経痛になる方もいますし、日常動作では寝返りの時に痛みが出やすい傾向があるようです。

多裂筋・腹横筋がさぼると
  ⇩ ⇩ ⇩
腸腰筋、中殿筋、恥骨筋、股関節深層外旋筋、腰方形筋が代わりにがんばる。
  ⇩ ⇩ ⇩
腰椎後弯(腰が丸まる)ガニ股になりやすくなり、腰の屈曲・回旋、股関節の内旋(内に捻る)の動きがしずらくなってしまいます。
中殿筋ががんばりすぎて過緊張を起こすことにより、下腿外側に痛みが出る方もいますし、日常動作ではぎっくり腰や変形性股関節症になりやすい傾向があるようです。

このように筋肉のバランスが崩れて関節や身体の動きにまで影響を及ぼします。

なので、まず最初にさぼり筋を効率的に鍛えてあげて、関節を安定させると楽に動けるようになりますし、さらにその後にストレッチやトレーニングを行うと日常動作や運動時のパフォーマンス向上へ繋げることができるようになります。

膝関節

膝節のさぼり筋とがんばり筋は?

さぼり筋内側ハムストリングス(半腱様筋、半膜様筋)内転筋
がんばり筋大腿筋膜張筋、大腿直筋、内側ハムストリングス、外側広筋

となります。

内側ハムストリングスがさぼると
  ⇩ ⇩ ⇩
大腿筋膜張筋、大腿直筋が代わりにがんばる。
  ⇩ ⇩ ⇩
X脚、反張膝になりやすい傾向があり、膝の正面や外側に痛みを感じやすくなる。

内転筋がさぼると
  ⇩ ⇩ ⇩
内側ハムストリングス、外側広筋が代わりにがんばる。
  ⇩ ⇩ ⇩
O脚、屈曲位での歩行になりやすい傾向があり、膝の後面や内側に痛みを感じやすくなる。日常生活では尿漏れになりやすかったりします。

膝関節でもこのように筋肉のバランスが崩れて関節や身体の動きにまで影響を及ぼします。

下腿~足関節

下腿~足関節のさぼり筋とがんばり筋は?

さぼり筋後脛骨筋、腓骨筋
がんばり筋腓骨筋、前脛骨筋、後脛骨筋、足趾伸筋

となります。

後脛骨筋がさぼると
  ⇩ ⇩ ⇩
小趾球、腓骨筋、前脛骨筋が代わりにがんばる。
  ⇩ ⇩ ⇩

足関節の内がえし制限が起きやすくなる。

足底のアーチが下がり偏平足になりやすい傾向があり、親指に力が入りにくくなるので外反母趾に繋がりやすくなる。

腓骨筋がさぼると
  ⇩ ⇩ ⇩
母趾球、後脛骨筋、前脛骨筋、足趾伸筋が代わりにがんばる。
  ⇩ ⇩ ⇩

足関節の外がえし制限が起きやすくなる。

足底のアーチが上がり、小指側に体重が乗り捻挫しやすくなり、踵への負担が掛かるため踵が痛くなりやすい。

足関節でもこのように筋肉のバランスが崩れて関節や身体の動きにまで影響を及ぼします。

肩甲帯~肩関節

肩甲帯~肩関節のさぼり筋とがんばり筋は?

さぼり筋前鋸筋・肩甲下筋、菱形筋・上腕三頭筋
がんばり筋小胸筋、斜角筋、大円筋、菱形筋、烏口腕筋、上腕二頭筋

肩甲挙筋、胸鎖乳突筋、大胸筋、棘下筋、小円筋、腕橈骨筋、頭板状筋

となります。

前鋸筋・肩甲下筋がさぼると
  ⇩ ⇩ ⇩
小胸筋、斜角筋、大円筋、菱形筋、烏口腕筋、上腕二頭筋が代わりにがんばる。
  ⇩ ⇩ ⇩

肩関節の内旋制限が起きやすくなる。

日常生活ではストレートネックになりやすい傾向がある。

菱形筋・上腕三頭筋がさぼると
  ⇩ ⇩ ⇩
肩甲挙筋、胸鎖乳突筋、大胸筋、棘下筋、小円筋、上腕二頭筋、腕橈骨筋、頭板状筋が代わりにがんばる。
  ⇩ ⇩ ⇩

肩関節の外旋制限が起きやすくなる。

日常生活では肩こりや首コリになりやすい傾向がある。

肘~手関節、手指

肘関節~手関節、手指のさぼり筋とがんばり筋は?

さぼり筋撓側手根屈筋・母指球筋、尺側手根屈筋・小指球筋
がんばり筋小指球筋、腕橈骨筋、示指伸筋、長母指伸筋、母指球筋、長母指外転筋

となります。


撓側手根屈筋・母指球筋がさぼると
  ⇩ ⇩ ⇩
小指球筋、腕橈骨筋、示指伸筋、長母指伸筋が代わりにがんばる。
  ⇩ ⇩ ⇩

前腕の回内制限が起きやすくなり、肘に負担が掛かったり親指の腱鞘炎になりやすくなる。
日常生活では、パソコンが打ちずらくなり、脇が開いてきて肩が上がってしまう傾向がある。

尺側手根屈筋・小指球筋がさぼると
  ⇩ ⇩ ⇩
母指球筋、長母指外転筋が代わりにがんばる。
  ⇩ ⇩ ⇩

前腕の回外制限が起きやすくなり、指先が過緊張になりばね指になりやすくなる。
日常生活では、握力低下につながりやすくフライパンが持てない、ドアノブが回しづらくなりやすくなります。

狙うはさぼり筋!!

筋肉を揉んだり、伸ばしたりしても変化を感じずらい方、ずっとそれを続けますか?

場合によっては必要なケースもありますが、刺激が強く長期的にみると体に負担をかけすぎているような方がたくさんいます。
身体の状態・動きを変えるには、結果的に硬くなった筋肉を揉んでも伸ばしても、原因となる使えていない筋肉(さぼり筋)がしっかり使えるようにならないと何も変わらないということです。
今回紹介したさぼり筋とがんばり筋の関係性を見て思い当ることがある方は是非さぼり筋を単独でトレーニングすることをお勧めいたします。


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